#17 『晴天の霹靂』評価と考察 ~親の愛を知れば人は生きていける~ Amazon Prime Videoオススメ作
こんにちは、KTです。
今回紹介するのは劇団ひとりが初めて監督した作品『晴天の霹靂』です!
※画像は下記サイトより引用
青天の霹靂 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画
そして今回の記事からはちょっとテイストを変えていきます。
というのも、映画やお芝居には通常、作り手のメッセージが込められています。
それをしっかりくみ取ってこその映画好きでしょう!
というわけで今回の記事からは、ただ感想を書くんじゃなくて、しっかりと映画を分析して、テーマやクライマックスシーンについて述べようと思います。
基本情報
スタッフ
◆監督:劇団ひとり
◆原作:劇団ひとり『晴天の霹靂』
◆音楽:佐藤直紀
キャスト
◆轟晴夫:大泉洋
◆花村悦子:柴咲コウ
◆轟正太郎:劇団ひとり
◆雷門ホール支配人:風間杜夫
◆医師:笹野高史
あらすじ
◆轟晴夫はマジックバーで働く売れないマジシャン
◆晴夫の父は晴夫が生まれてすぐ別の女を作り、母は家を出てしまっていた
◆父とも今では絶縁状態
◆惨めな生活に生きる意味を見出せないでいるとき、警察が連絡が入り、ホームレスとなった父が亡くなったと聞かされる
◆学歴もなく、金も恋人もない晴夫は親も失い、途方に暮れていたが、雷に打たれて過去にタイムスリップしてしまう
◆生活のために浅草の雷門ホールで手品師として働き始めるが、そこには若かりし頃の自分の父・正太郎と母・悦子がいた
◆母はすでに自分を妊娠していた
◆正太郎とコンビを組んで手品師としてブレイクしていく晴夫
◆悦子の出産日が近づいてきたとき、晴夫は自分の出生の秘密を知ることとなる
感想・考察
テーマ
『親の愛を知れば人は生きていける』
この映画のテーマはズバリこれでしょう。
晴夫は母親に捨てられ、父もろくでもない人間。
そのせいで自分は学歴もお金もなく、売れないマジシャンに甘んじている。
生きる意味を見出せないでいた晴夫でしたが、過去にタイムスリップして若かりし両親の本当の想いを知ります。
母悦子は自分を捨てたのではなく、自分の命と引き換えに自分を生んでくれたのでした。
父正太郎は、『お前を生むためにお母さんは死んだ』と晴夫に伝えれば晴夫がショックを受けると考え、自分が他に女を作ったことでお母さんは出て行ってしまったと説明していました。
自分が両親に望まれて誕生し、まさに命懸けで自分を生んでくれていたことを知った晴夫は、そこに生きる意味を見出します。
それだけで人生が愛おしくなると語るシーンは涙ものでした。
クライマックスシーン
クライマックスは、日本語で『最高潮』と訳します。
映画におけるクライマックス、つまり最高潮のシーン、それはテーマがはっきりと分かるシーンです。
言い換えると、主人公が壁を乗り越えて成長したシーンでもあります。
では、今回紹介した『晴天の霹靂』におけるクライマックスシーンはどこなのか。
答えは明確です。
『出産を間近に控えて入院していた悦子のもとを晴夫が訪れ、未来の話をするシーン』
に間違いありません。
このシーンで晴夫は悦子が生きる理由であることを話します。
しかも、分かりやすいことにこの時降っていた雨が止むのです。
明らかに春の気持ちが雨から晴れに変わったことを表現しており、ここがこの映画でのクライマックスであることは明白でした。
自分らしく ~オンリーワンの生き方~
テーマは『親の愛を知れば人は生きていける』だと前述しましたが、映画に込められたメッセージは一つだけではありません。
映画の冒頭で、トランプマジックを披露していた晴夫は、自分はエースやキングにはなれない。せいぜい5か6(7か8だったかな?)だと語ります。
しかし、終盤では、考えが変わり、5や6もトランプの中には1枚しかないカードであると語ります。
つまり、ナンバーワンではなくてもオンリーワンだということです。
エースやキングにはれなくれも、立派な5や6のカードなのです。
自分は自分らしく、精いっぱいに生きれば良いというメッセージに胸を打たれた人も多いのではないでしょうか。
評価
【晴天の霹靂】の評価
★★★★★
正直言ってとても良かったです。
劇団ひとりってすごいね。
最後に
この映画は脚本も良いし、演者も良い。
大泉洋の冒頭の惨めな顔つきと、エンディングで見せた自信に満ち溢れた表情が素晴らしかったです。
そして柴咲コウがとても可憐で可愛くて最高でした。
改めて好きになりました。
音楽も良いし、すべてがマッチした素晴らしい作品だったと思います。
是非見てみてください!
以上、KTでした。