2019.2.1公開『七つの会議』原作評価から映画化への期待値を考察【所要時間:5分】
2019年もあっというまに1/12が終わりました。
2月もいろいろな映画を観たいですね!
というわけで、2月1日から公開が始まっている『七つの会議』。
池井戸潤の原作で、豪華キャストで話題ですね。
今回は原作小説を読んで、映画化への期待値を考察していきます。
『七つの会議』原作 基本情報
・著者:池井戸潤
・発行年:2012年
中堅電機メーカーで発生した隠蔽問題に巻き込まれる複数の社員を描いた作品です。
2019年に映画化となりましたが、2013年にはテレビドラマ化されています。
あらすじ
・一部上場企業ソニックの子会社である東京建電の営業一課長を務める坂戸は、八角へのパワハラを理由に更迭される。
・坂戸の後任には営業四課長だった原島が抜擢される。
・坂戸の更迭は、実は製品の部品の強度偽装が発覚したためであり、原島はその後処理を内密に進めるために営業一課長に任命されていた。
・不祥事に巻き込まれていく社員たち。
・それぞれの立場から、それぞれ異なる方法で不祥事と対峙し、不祥事の真相が明らかになっていく。
評価と感想
『七つの会議』原作の評価
★★☆☆☆
良くも悪くも「池井戸潤っぽい」作品でした(笑)
登場人物はおじさんの会社員ばかりで、企業の闇を生々しく描いています。
東京建電で発生した不祥事を、様々な人の目線で短編形式で展開し、徐々に不祥事の真相が明らかになっていくという内容です。
それぞれの短編で主人公が変わるのに、全体の軸となっている不祥事の全容が明らかになっていく構成は見事と言うほかありません。
世の中にはほかにもたくさん短編集はありますけど、個人的には短編作品が実はつながっているという構成の方が好きですね。
読んでいてワクワクする作品だったと思います!
少ない手がかりをもとに真相が明らかになっていく様はミステリー小説を読んでいるかのような心地よさがありました。
しかし、冒頭から中盤にかけては、どんどん情報が増えていってワクワクしたんですが、エンディングに向けての勢いというか、盛り上がりに欠けました。
池井戸潤の作品って個人的には全体的に尻すぼみなイメージがあるんですよねえ。
以前ドラマ化された「陸王」も読みましたが、あれもオチがある程度予想できてしまったので最後まで読まずに途中でやめちゃいました。
途中まではめちゃくちゃ面白いんですけどねえ。
その辺の盛り上がりが映画ではきっとうまくやってくれていると期待します!
映画化への期待値
★★★☆☆
ドラマでは、不祥事を起こした坂戸に代わって営業一課長になった原島が主人公でしたが、映画では坂戸をパワハラで告発した八角が主人公になるようです。
こないだ映画館に「マスカレードホテル」を観に行きましたが、その上映前のCMで「七つの会議」の広告が流れました。
それを見る限りでは、八角はかなりギラギラした感じのキャラクターに見えました。
原作とはちょっと違う感じですね。
八角は仕事に全くやる気のないダメ営業マンというキャラクターなんですが、実はかつては優秀な営業マンでした。
ある理由から、それまでの力技的な営業を悔いるようになり、仕事に手を抜くようになります。
原作を読んだ僕のイメージでは、見た目はもっとだらしない感じのおっちゃんなんですよね。
野村萬斎ではちょっとかっこよすぎる気がします。
まあかつては八角は腕利きの営業マンでしたから、そっちのイメージに振った感じでしょうか。
おそらく、原作のイメージを良い意味で裏切ってくれているんでしょう。
ストーリーとしても、短編小説と映画では全然展開が違うと思うので、エンディングに向けての盛り上げ方など、原作よりもうまくやってくれると期待しています!
八角が物語の軸になっていますから、八角がなぜ敏腕営業マンからグータラ営業マンになってしまったのか、その辺りの経緯もしっかり描いてくれてると思います。
あとは、キャスティングも「池井戸潤っぽい」ですね(笑)
香川照之さんとか、片岡愛之助さんとか、「半沢直樹」っぽいキャスティングです(笑)
演技力が高い豪華なキャスティングなので、それだけでも一見の価値あるかもしれません!
まとめ
・「七つの会議」原作評価
★★☆☆☆
・「七つの会議」の映画期待値
★★★☆☆
・原作は短編形式で、序盤は面白いが尻すぼみ
・映画では、不祥事の真相がどんどん明らかになっていく盛り上がりがきっとあると期待
・原作とはだいぶ違う作りになると思われます
・キャスティングが豪華なのでそれだけでも一見の価値あり
以上、KTでした。